EU離脱から学ぶ国会用語


世界情勢が目まぐるしく動くなか、去年の大きなニュースの一つがイギリスのEU離脱。EU離脱は英語で「Brexit(ブレグジット)」と言います。世界中からその動向が注目されているイギリスですが、そもそも英議会ってどのような仕組みなのでしょうか?その大枠をお伝えします。

 

日本との類似点
日本とイギリス議会の類似点は、簡単に言うと以下のとおりです。

①議院内閣制
国会議員が、首相(the Prime Minister)を選びます。日本の国会(the Diet)は、イギリスの議会(‘the Parliament’)に該当します。ちなみに、国会の意味を表すDietは、ドイツ語から来ているらしいのですが、英語でdietというとまずイメージされるのは「食事」等なので、日本の政治に精通していない外国人には伝わりにくいかもしれません。国会議員は、’Diet members’(日)、’the members of Parliament’(英)。国会議事堂は、’the Diet Building’(日)、’the Houses of Parliament’(英)です。

②二院制

イギリスは、貴族院 (the House of Lord)と庶民院 (the House of Commons)。日本の衆議院は’the House of Representatives’(または’the Lower House’)、参議院は’the House of Councillors’(または’the Upper House)です。

③党首討論

日本では2000年に導入されましたが、イギリス議会のものを手本にしたと言われています。(’question-time debate’)
現在の与党 (the UK Government)は、保守党(the Conservative Party)。一方、最大野党(the Official Opposition)は、労働党(the Labour party)です。かの有名な「ゆりかごから墓場まで(’from the cradle to the grave’)」は、1940年代に労働党が提唱した原則無料で医療が受けられるという国民保険サービス(National Health Service)のスローガンです。ちなみにですが、イギリス英語の綴りではlaborではなく、labourとなります(色のcolorもcolour、等)。

近年では、1997年に保守党から労働党へ政権交代しましたが(ブレア首相1997-2007年/ブラウン首相2007-2010年)、2010年の庶民院議員を選ぶ選挙にて、キャメロン首相を党首とする保守党が与党に返り咲き、現在のメイ首相に引き継がれています。日本の自民党は’Liberal Democratic Party’で、民進党は’Democratic Party’。なんでも、民進党は当初’Democratic Innovation Party’としたかったところ、略すとDIP(米俗語で「間抜け」)になってしまうため、ただのDemocraticにしたのだとか。

EU2

貴族院について

かつて日本にも貴族院がありましたが(1890-1947年)、イギリスには今でも貴族院が残っています(現在の日本でも、国会開会式にて、国会議員全員が参議院の議場に集まって天皇のおことばを待つのは、かつて参議院が貴族院であった頃の名残だそうですね)。英国の庶民院=日本の衆議院のような役割と言われる一方、貴族院は日本の参議院と大きく異なります。

イギリスの貴族院は、聖職者、一代貴族、世襲貴族らから構成され、選挙なしの非公選。基本的には無報酬で(巨額な貯蓄や高い年金があるためだそうです)、終身任期。聖職者は、聖職者の職務を退くと共に、議員も辞任することになるそうです。

イギリスが三権分立を導入したのは、2009年。かなり最近のことですよね。それ以前は、貴族院が最高裁判所(’the Supreme Court’)も兼ねていたのです。ブレア政権下で、貴族院の現代化を図る改革が進められ、世襲貴族の議席数削減と共に最高裁判所の権限が失われ、2009年に連合王国最高裁判所が創設されました。

2012年には、キャメロン政権下でも、貴族院の公選制導入を目指す法案が提出されましたが、成立には至っていません。現在、イギリスのEU単一市場撤退が話題になっていますが、英政府がEU撤退の手続きを開始するには議会の承認は不要としたのに対し、先月24日この連合王国裁判所において議会承認が必要と決定されました。

_____________________________________

まさに今、様々な課題に取り組んでいるイギリス議会。引き続き、今後の動きにも注目ですね。

お読みくださってありがとうございました。
「いいね」頂けますと励みになります。
今後とも英語塾アブソリューションをよろしくお願いします。


あわせて読みたい